梅雨中休み?

梅雨に入っちゃいましたねぇ〜

紫陽花が至る所で美しく咲いています。

ちょっと前回から日が経ちましたね。

これを書くのを忘れていたわけではなく、

「何を書こうかなぁ〜」と

色々な本を物色していたんです(笑)

今回は、そんな中で出会った本を中心におススメしたいと思います。

テーマは「ジューンブライド」です❤


日本のJune(6月)は全くと言っていいほど

結婚式には向かない月ですよね。

梅雨だし、ジメジメするし。

でも、ヨーロッパでは気候の違いか歴史の違いか分かりませんが、

「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」そうです。

ブライダル業界がこれにあやかって色々なプロモーションを行っているせいで

日本でも随分と浸透している感がありますね。

今回、私は「結婚」をテーマに掲げる小説を色々と物色してみました。

凄く沢山あったのと、どこまでを「結婚」にまつわる小説というのか難しいところではあったんですが

まぁ、その辺りは私の独断と偏見で選ばせて頂きました(笑)

では、さっそく紹介に入りましょう。


まずは、比較的新しいめの作家さんから。

アシンメトリー飛鳥井千砂角川書店)、『フリン』椰月 美智子(角川書店)。

アシンメトリー

アシンメトリー

フリン

フリン

飛鳥井さんは『はるがいったら』で2005年に小説すばる新人賞を受賞され小説家デビュー、

椰月さんは『十二歳』で2001年に講談社児童文学新人賞を受賞されて小説家デビューされています。

私は今回「結婚にまつわる小説」を選ぶにあたり、一つ自分自身に課題を設けました。

それは、「今まで自分が読んだことのない作家さんの作品で、しかも比較的新しい出版年のもの」

というものです。

そのため、飛鳥井さんも椰月さんも私にとっては初めての作家さん。

いや〜でもね、よかったんですよ(^^)

まずは飛鳥井さんの作品ですが

タイトルが示すように「左右非対称、不均衡」な2男2女が主人公。

「結婚願望が強い女と恋愛経験は多いがSEX嫌いな女、ホモの男と結婚に完璧さをもとめる男」

一人称で4人の心理を章ごとに分けて描いています。

設定は結構ありふれた感じだったんで、表装が綺麗だから読み始めたんです。

ですが(!)読み進める内に止まらなくなってしまったんですね。

人の心理が実に巧みに描かれている上に、どこかの街で本当にありそうなリアル感があったんです。

そうですね、「連ドラ」を見てる気分と少し似てましたかね。

次は、椰月さんの作品ですが、

こちらは、タイトルが敢えて『不倫』ではなく『フリン』にした訳がわかる気がします。

罪悪感があってドロドロしてる「不倫劇」ではなく

あくまでも軽い感じの「フリン」なんです。

「結婚しても、人を好きになることあるよね〜」といった感じでしょうか。

こちらは短編なので読み易く、また、現実離れした話でもないのですんなりと胸に入りました。

椰月さんは児童文学も描かれているだけあって、「柔らかさ」の感じられる作品でした。


では、次は日本から飛び立って(!?)海外の作品を2点。

『もうひとり夫が欲しい』パク ヒョンウク (新潮社)、『初夜』イアン・マキューアン(新潮社)。

もうひとり夫が欲しい

もうひとり夫が欲しい

初夜 (新潮クレスト・ブックス)

初夜 (新潮クレスト・ブックス)

パク ヒョンウク さんは韓国の作家さんで

2001年に『同情のない世の中』という作品で文学トンネ新人作家賞を受賞され、作家デビューされました。

おそらく日本で翻訳されている作品は『もうひとり〜』だけだと思います。

さて、作品の内容なのですが、ショッキングなタイトル(!?)通り

主人公の妻となった女性が結婚後、「もうひとりの男と付き合う」ことを公言するんです。

男性の目で一人称で語られるこの作品は、心理描写が粗いところがあるのですが

その分、無駄がなくて、ストーリーがテンポよく進みます。

また、随所に散りばめられたユーモアーが、作品をコミカルなものに仕上げていて、

恋愛小説にありがちな作者のナルシズムが感じられません。

始めはそれほど好きなタイプではなかったのに、気付いたらどんどんのめり込んでしまって

最終的には妻が「浮気をする」と言っても離れられない状態になってしまったんですね。

うーーん、可哀想だけど、面白い(笑)

韓国で映画化の話もあるそうで、どんなキャストさんになるのか勝手に想像して愉しんでいます。


では、では、最後にご紹介するのは『初夜』イアン・マキューアン著(新潮社)。

これは、タイトル通りですね。ええ、そうです。「結婚後初めて迎える夜」のお話。

イアン・マキューアンはイギリスを代表する作家で、

アムステルダム』という作品で1998年にイギリスで大変権威のある賞、ブッカー賞を受賞しました。

日本でも人気の作家さんで、大勢の読者がいます。

マキューアンの作品の魅力の一つは、詳細かつ繊細な情景&心理描写にあると思います。

そのために読者は、主人公の息づかいや気配までも感じ取ることができ、

作品世界に深くのめり込んでしまうのです。

『初夜』は主人公の男と女が「初めての夜」を迎える、まさにその瞬間から始まります。

そして、「その夜」の出来事が、後々取り返しのつかない事態に発展するところで物語は終ります。

ストーリーとしては、たったこれだけのことなのですが

ややミステリー仕立てのこの作品、本当に引き込まれます。

詳しい内容は読んでからのお楽しみ、といったところでしょうか(笑)


いかがだったでしょうか?

今回はこれらの作品をご紹介するまでに、多くの「結婚にまつわる小説」を読んでみました。

ご紹介できなかったものもあるのですが

新しい作品や自分にとって初めての作家さんの作品との出会いがとても愉しくて

よかったです。

もし、「他にもこんな面白い作品がある!」というのがあったら、教えてくださね〜

お待ちしています(^^)/