次の日本人ノーベル賞作家には・・・
十月もあと少しで終わってしまいますね。
月日が流れるのは本当に早いと感じる今日この頃です。
さて、今月初めにフランス人の作家ジャンマリ・ギュスターブ・
決まりましたね。
ノーベル文学賞は作品にではなく、その方の業績に捧げられる
ことが多いので、受賞作というのはないのですが、
ル・クレジオさんの作品に興味をもたれた方は是非お読みになって
下さい。集英社などから多くの翻訳本が出版されていますよ。
もしかすると、不思議に思われてる方がいらっしゃると
思うので、申し上げますと(笑)
今回は、ル・クレジオさんの本を取り上げたいわけではないんです。
(ごめんなさい!クレジオさん。)
実は、今回おススメしたい本は別にあるんです。
みなさんは、日本人でノーベル文学賞を受賞されている方が
何人いらっしゃるかご存じですか?
そうですね、お二人で、
他にも受賞されてはいませんが、候補に挙がっていた方も
大勢いらっしゃるんです。
代表的なところで、谷崎潤一郎、井上靖、三島由紀夫、安部公房、
遠藤周作などでしょうか。
ええ、でも、いま存命の作家さんで、おそらく一番賞に近い作家さんは、
村上春樹さんではないかと思っているのです。
村上さんは、日本の文学界が芥川賞を渡すタイミングを逃した(!)
作家さんの一人だと思っています。
前置きが長くなってしまいましたが、
今回はファンの多い村上春樹さんの作品を
取り上げてみることにいたしましょう。
村上春樹さんの作品で、真っ先に思い浮かぶ作品はなんでしょうか?
きっとそれぞれ違うと思います。
では、最初に春樹ブームを巻き起こした小説と言えば、
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おそらくこの小説は説明不要なのではないでしょうか?(笑)
あまりに有名な小説で誰もが名前ぐらいは知っていると思います。
現在累計で何万部まで売れているのか(すみません)わかりませんが、
これを品切れさせている本屋さんは本屋さんではない!(笑)
と断言できるぐらい、メジャーな本です。
春樹さんの作品は、どの作品もよく読まれていて、
最新刊のみならず、既刊のちょっとマイナーな短編でさえよく売れます。
小説だけではなくエッセイも然り。
このような作家さんは、他にあまりいらっしゃいません。
わたしは、きっと春樹さんの文章には、
人を心地よく酔わせる美しいリズムがあるのだと思っています。
小説の内容は、文章が平易なのにもかかわらず、大変難解だと
言われています。
それなのに、これだけ多くの人(国内だけではなく外国でも)
読まれ続けているのは、春樹節が人の奥深い魂に
――心の琴線に触れるからではないでしょうか?
良い文章には良いリズムがあります。
文学作品も一つの芸術作品に他なりません。
ストーリーが多少難しくても、
そこから醸し出される旋律が人を惹きつけるのです。
村上さんの作品で、ファンの方からよく薦められるものの一つに
- 作者: 村上春樹
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表題になっている『国境の南』というジャズの曲を
ナット・キング・コールが歌っている・・と作中に出ているのですが
どうやらこちらは春樹さんの勘違い(!?)だったようです。
本当のところは不明で、春樹さんは「そのような曲があったように思ったが、
調べたらなかった。けれども、その曲がなくても、いや、むしろ
ない方が物語っぽくていいかな。」というようなことを
どこかで語ってられたように思います。
(すみません、この話ちょっと不確か。間違っていたらすみません。)
何はともあれ(汗)、こちらも素敵な小説。
「ジャズを流す上品なバー」で働く主人公の元に、幼い頃好きだった
女性が現れるんです。主人公は三十代の奥さんのいる人で・・・
様々に揺れ動く心の危うさを描いています。
読んだ後に、「ジャズを流す上品なバー」で一杯飲みたくなりますよ(笑)
春樹さんの小説ではしばしば、ジャズやバーが登場します。
この特集はまた次にして、
もう何点かおススメしたいと思っています。
- 作者: 村上春樹
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春樹さんのデビュー作で、群像新人文学賞受賞作。
ビートの早いジャズを聴いているような感覚を愉しめます。
次に『蛍、納屋を焼く、その他短編』(新潮文庫)。
『蛍』は『ノルウェイの森』の前身となった小説だと言われています。
他には市川準監督で映画化されている『トニー滝谷』という短編。
『レキシントンの幽霊』(文春文庫)に収録されている短編です。
読後、静けさの余韻に浸れると思います。
春樹さんの作品、いかがだったでしょうか?
実はまだまだ紹介が足りないので、
次も春樹さん特集で行こうと思っています(笑)
春樹さんの作品は奥が深いなぁ・・・