お花見しながら読書しましょ!

chiaki50612010-03-29

もうすぐ桜が満開を迎えますね。

場所によってはもう満開のところもあるかもしれませんが。

春は一斉に色々な花が咲くからいいですよねぇ。

気持ちもほっこり和みます。


今日は、桜から連想された作家さんの作品をご紹介しましょうか。

独断と偏見ですが、

花(桜)→きもの→きものに桜を多くデザインした作家さん

ということで、宇野千代さんの作品をご紹介したいと思います。


宇野千代さんは恋多き女性として、多くの方に知られているでしょうか。

女性作家兼デザイナー兼編集者とマルチに才能を発揮された方でしたね。

「キャリア・ウーマン」の先駆者的な方とも言える方で

同じ女性として憧れを禁じえません。


そんな宇野千代さんなんですが、

桜をモチーフとしたきものを多数デザインされていることでも有名ですね。

もし、宇野千代さんのデザインされたきものにご興味がおありなら、

是非『きもの日和』(世界文化社)をご覧になって下さい。

きもの日和

きもの日和

パラパラ見るだけでも、心がときめきます。


宇野千代さんは、1921年『脂肪の顔』という小説で作家デビューされています。

その後、尾崎士朗氏、東郷青児氏、北原武夫氏ら多くの著名人と

関係を持ち、私生活で波乱に満ちた生涯を送られてますね。

では、宇野さんの作品ですが、

宇野千代さんはエッセイは多いのですが、

小説は数えられるぐらいしかありません。

その中でも代表作といえば、やはり『おはん』と『色ざんげ』ではないでしょうか。

(共に新潮文庫

おはん (新潮文庫)

おはん (新潮文庫)

『おはん』は吉永小百合さんが主演で映画になっていますね。

そちらでご存じの方も多いかもしれません。

ええ、でも、もし原作がまだなら是非読んでいただきたいと思います。

ダメ男に尽くす女の可笑しさと哀しさがとてもリアルに描かれているのです。

こう書くと、悲哀な小説のようですが、作風は宇野さんの気質と同じく『陽』です。

陰湿な暗い小説では決してありませんよ。

また、『色ざんげ』という作品も素敵ですよ。

東郷青児をモデルに、当時彼が起こした心中未遂事件を題材にしたもので

「聞き語り調」という形式をとっています。

「男と女が愛欲の果てに行きつくところ」というのは

こんな世界なのかなぁと思ってしまいます。

「自分にはそんなことは起こりえない!」と

思っている方ほど、読んでみる価値があるのではないでしょうか。

そうです、恋とは「突然落ちてしまうもの」なんですから(笑)


あと、もし、この二作以外で宇野さんの作品をお探しなら

『薄墨の桜』(集英社文庫)がおススメです。

薄墨の桜 (集英社文庫)

薄墨の桜 (集英社文庫)

タイトルに「桜」も入ってますし、この時期ぴったりではないでしょうか?

ただし、作品の内容は、桜からイメージされる淡い内容のものではありません。

心してお読みあれ、といったところでしょうか(笑)


では、今回は春らしくまとめてみました。

まだまだ寒い日がありますが、確実に春はそこまできていますね(^^)