古典の名作を新訳で

chiaki50612008-11-09

少し寒くなって来ましたね。

冷え症のわたくしには辛い季節(TT)

今回はこの日本よりもっと北にあって

寒く広い大地の文学をご紹介しましょう。


つい最近『カラマーゾフの兄弟』(光文社古典新訳文庫全五巻)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

を新訳された亀山郁夫さんが

ロシアのメドベージェフ大統領から

ロシア語とロシア文化を広めた外国人に贈られる賞、

プーシキン・メダルを授与されましたね。

この本、去年辺りから良く売れていて、

百万部を突破したとか。

ロシア文学はあまり知らない・・という方のために

とっても有名な何点かの作品をおススメします。



ロシア文学は十九世紀が黄金時代だと言われています。

日本では江戸時代が終わり(1868年)明治時代に入った頃ですね。

この時期のロシア文学は後になっても世界各国に影響を与えた

作家が数多く輩出しており、代表的な作家では

プーシキンゴーゴリツルゲーネフ、ドエトエフスキー、

トルストイ、チエーホフなどがいます。

罪と罰』や『戦争と平和』、『アンナ・カレーニナ』など

作品の名前も映画や劇になっていてかなり有名ですよね。

でも・・小説で読もうとなると、とても長い。

しかも難解な感じ(笑)

ちょっと腰がひけちゃいますよね。

そんな方は、無理せずに

まずは映画や劇から入るのもいいと思います。

戦争と平和』はオードリーが出演しているものもありますし、

アンナ・カレーニナ』はグレダガルボ主演や

最近ではソフィー・マルソー主演のものもあります。

こういうもので、先に予習してから小説を読むと

時代背景や雰囲気が分かりやすくてよいと思いますよ。

また、最近あらすじのわかるコミックが出ていて、

カラマーゾフの兄弟』や『罪と罰』はイーストプレスから出版されています。



わたくしが個人的に好きな本は、

ツルネーゲフ『初恋』(岩波文庫新潮文庫光文社古典新訳文庫他)

トルストイアンナ・カレーニナ』(新潮文庫上中下巻)、

『文読む月日』(ちくま文庫上中下巻)。

初恋 (光文社古典新訳文庫)

初恋 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ(上) (新潮文庫)

アンナ・カレーニナ(上) (新潮文庫)

文読む月日〈上〉 (ちくま文庫)

文読む月日〈上〉 (ちくま文庫)

『初恋』はツルネーゲフ自身ももっとも愛した小説と

言われていて、甘酸っぱくて切ないストーリーです。

アンナ・カレーニナ』は簡単に言うと二つの愛の物語です。

それが壮大なスケールを舞台に描かれていて・・

長編ですが凄く引き込まれるので、読みやすいと思います。

『文読む月日』は小説ではなく、名言集のようなもの。

でも、これが、とても胸に響く珠玉のようなことばたちで、

素敵なんです。

二十世紀以降の作家さんでは、

ロシア出身で後にアメリカに亡命したウラジミール・ナボコフ

ノーベル文学賞作家ボリス・パステルナークが

有名な方々でしょうか。

ナボコフは幻想的な作風でファンがとても多く、

有名な作品の一つに『ロリータ』(新潮文庫)があります。

ロリータ (新潮文庫)

ロリータ (新潮文庫)

この作品は読んでいなくても言葉を知っている方は

多いのではないでしょうか(笑)

小説もタイトルを裏切らない面白さですよ。

パステルナークは『ドクトル・ジバゴ』という大変有名な

長編を残しています。

こちらは、今現在絶版になっているかもしれません。

そのため古本屋さんや図書館で探すことになるかもしれませんが、

機会がありましたら是非お手にとって見てください。

スリリングな内容でミステリー好きな方も満足して

頂けると思います。

また、映画の方も有名なので、

そちらで堪能するのもいいかもしれません。


いかがだったでしょうか。

本当に簡単なご案内でした。

哲学がお好きな方や人生を深く考えたい時には、

長編のロシア文学はぴったり当てはまると思います。

「よくわからなかったけど、後々作中のことばが胸に沁みるなぁ。」

という煮干しを噛みしめるような旨味のあるのが

ロシア文学の名作に言える一つの特徴のような気がします。

本棚に一冊ずつ置いて、

時々読み返すのもいいかもしれませんね。