京都に縁のある人気作家さん〜パート1〜

前回と前々回は、旅での作家さんとの出会いを書きましたね。

でも、少〜し国語の文学史のお勉強ぽくなってしまったので、

今回は、もっと入りやすい作品をご紹介したいと思います。

(野上さん子規さん、すみません)

私が昔、京都の書店員だった頃にお会いしたことのある二人の作家さんの作品

についてご紹介しましょう。



京都に縁のある作家さんはとても多くいらっしゃいます。

存命の方もお亡くなりになった方も、京都のご出身だったり

京都に住んでいたことがあったり・・・と

京都と何らかの繋がりがある方は大勢おられるんですね。

そんな大勢の中で、今、特に若い方に人気の作家さんと言えば

森見登美彦さんと万城目学さんなのではないでしょうか?

そうです。今回は、このお二人の作品をご紹介したいと思います。

若い方やエンターテイメント小説好きの方にはあえて

今更ご紹介しなくてもよくよくご存知の方が多いと思います。

そんな方は、さらっと流して、森見さんのブログを読んで下さいね。


では、森見登美彦さんの作品から。

森見登美彦さんは、1979年生まれの30歳。

奈良県出身で京都大学農学部に進学された関係で京都に来られました。

デビュー作は『太陽の塔』(新潮文庫

太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

森見さんはこの作品で第15回日本ファンタジーノベルズ大賞を受賞されて

作家デビューされたのです。

私はこの作品を製本される前のゲラの段階で頂きました。

京都が舞台で京都の学生さん(当時)だった森見さんの作品を

京都の書店で沢山売っていこう!というコンセプトの元

試読させて頂いたんですね。

読後の第一印象としましては・・

「いや〜面白い!」

でした。

日頃、ファンタジー小説はあまり読まない私ですが、

この小説は素直に面白かったですね。

只、面白いのはいいのですが、書かれた方はもしかすると

「女性にもてない妄想オタク系人物」

なのではないかと思い、一抹の不安を覚えました。(森見さん、ごめんなさい!)

ですから、その後、サイン会でお会いした時に

森見さんの礼儀正しく紳士的な雰囲気に驚いてしまいました。

本当にお世辞ではなく、好感の持てる謙虚な方だったんですね。

妄想炸裂のユーモアーの効いた作品を書かれている方には

とても思えなかった。

いやいや、人の内面は本当に奥が深いものです。

森見さんの作品の最大の魅力は、

独特の文章のリズムとクスッと笑わせてくれるユーモアーだと思います。

一度ハマるとおそらく全作品を読みたくなるのではないでしょうか?

わたしは個人的には『夜は短し歩けよ乙女』(角川文庫)が好きです。

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

森見さんはこの作品で山本周五郎賞を受賞されています。

もう、誰が何と言おうと人気作家さんの一人ですよね。



では、もう一人の作家さん、万城目学さんをご紹介しましょうか。

この方は1976年生まれ、現在32歳。万城目さんも京都大学法学部に進学された関係で

京都にいらっしゃいました。(森見さんと似ていますね)

デビュー作は、『鴨川ホルモー』(現在:角川文庫)

鴨川ホルモー (角川文庫)

鴨川ホルモー (角川文庫)

私は、この作品が単行本で出版された時に

万城目さんとお会いしました。

万城目さんは、わざわざ書店回りをして営業活動をされていたんですね。

私はその時忙しくしていて、ちゃんとお話できなかったのが残念です。

その後も『鴨川ホルモー』は順調に売上げが伸びてゆきました。

2009年には映画化もされ、現在はDVDで鑑賞できます。

山田孝之さんや、栗山千明さんなど、個性的な俳優さんが多数出演されていますね。

万城目さんは、2作目の『鹿男あをによし』(幻冬舎)、

そして昨年出された『プリンセス・トヨトミ』(文藝春秋)で直木賞候補に選ばれています。

鹿男あをによし

鹿男あをによし

プリンセス・トヨトミ

プリンセス・トヨトミ

直木賞を受賞されるのもそう遠くない話になりそうですね。

ちなみに、『鹿男あをによし』は玉木宏さん主演でドラマ化もされ話題を呼びました。

本からだけでなく、映像から万城目さんの作品に入ってみるのもいいかもしれませんね。


以上、京都に縁のある人気作家さんをご紹介しました。

このお二人は、歳が近いことと作風が少し似ていることから

親交があるそうですよ。

お二人の対談なども聞いてみたいものですね(^^)/