訃報が続きます・・
立松和平さんが亡くなられましたね。
先日の日記ではサリンジャーさん追悼の日記を書きましたが、
今回も立松和平さんを追悼する日記を書こうかなと思います。
ちょっと悲しいニュースばかり続きますね。
でも、このことがきっかけで立松和平さんの作品に触れてみよう
と思う方が増えればいいなぁと思います。
「立松和平さん」と聞いてみなさんが一番印象深いのは
『ニュースステーション』でのコメンテーターでのお姿でしょうか。
そうですね、立松さんは作家さんとしての執筆業以外の
お仕事も精力的にこなされていた方ですよね。
著作も小説以外にルポや絵本の翻訳、紀行エッセイなど多岐に渡っていて
立松さんがとても好奇心旺盛な方だったということが垣間見えます。
そんな立松和平さんを大雑把な一言で表すとするならば、
「旅好きの仏教にお詳しい方」
と言えるかもしれません。
旅のエッセイやルポ、仏教の入門書などを多数出版されています。
立松さんの代表作は?と言われると、人によって色々意見があると
思うのですが、『光の雨』(新潮文庫)、『毒-風聞・田中正造』(河出文庫)、
『道元禅師』上下巻(東京書籍)ではないでしょうか。
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(但し上記の三点の内、『道元禅師』を除く他の二点は
現在新刊書店で入手が困難な状態だと思われます。)
盗作された作品だとして問題になりました。
立松さん自身も盗作を認められていることから、この本は絶版になり
今現在は幻の作品となっています。
この作品を代表作に挙げてはいけないのかもしれませんが、
読まれた方からの評判はいいようですね。
『毒-風聞・田中正造』はタイトルが示す通り、日本で初めての公害事件となった
足尾鉱毒事件についての小説です。立松さんはこの小説で毎日出版文化賞を受賞されています。
『道元禅師』は立松さんのこれまでのライフワークの集大成ともいえる
作品なのではないでしょうか。
仏教に傾倒し、インドを愛し、旅三昧だった立松さんだからこそ描けた作品だったと思います。
立松さんはこの作品を描くにあたり九年もの月日を費やし
多くの文献に目を通し、何度も取材を重ねられたそうです。
背筋を伸ばしてちゃんと机に座って読みたい作品ですね。
立松さんは著作がとても多いのですべて紹介することはできませんが、
私が個人的に好きな作品が『きもの紀行-染め人織り人を訪ねて』(家の光協会)
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です。個人的にきものが好きなので、この本はとても楽しく読めました。
日本の民族衣装「きもの」は辺境で作られていることが多く(特に織りは)
立松さんはその周辺を旅されて、きものを作られている方を取材されるんですね。
今、「きもの」はあまり着られなくなってしまいましたが、
「きもの」を創る文化はずっと残していきたいな、と思いました。
きものに興味がなくても、もの作りの視点から、または紀行文としても楽しめると思いますよ。
享年62歳。
若すぎますよね・・・